ノーマイクのストレートプレイを観るのは久しぶりだなー。
初めての新国立劇場でした。小さいな〜!いい感じ。
おまけに無茶苦茶良い席でした。かぶりつきの最前列、しかも舞台との距離が本気で50cm。チケット取ってくれた友人に感謝です。
山田悠介の小説が原作…へー、「リアル鬼ごっこ」の人ってまだ執筆続けてたんだ…と思いつつ、ウィキペディアの原作ページから設定を引用。
2030年、政府は自殺者が増加している原因をつかむために青少年自殺抑制プロジェクト(YSC)というプロジェクトを行っていた。 YSCとは、無作為に選ばれた5歳の子供達に心臓の病気だと偽って手術を施す。そして、彼らが10歳になった時に隔離して自らの心臓を止めることができる「スイッチ」を与えた後、彼らがその「スイッチ」を押すまでの過程を監視員達が観察するというものだ。 彼らには日記が配られ、自殺の原因などが書いてあれば、実験は成功となる。
原作未読なので比較はできないのですが、とりあえず舞台は、「実験開始から七年目、残り六人」からスタート。男四、女二。友情もあり微妙な恋愛感情もありで、状況は異常ながらも、ありふれた思春期の少年少女の描写が続きます。舞台では最初「スイッチ」関係の設定が伏せられているのですが、設定開示後の言動がさらに可愛い。ついでに、「十歳から監禁されているせいで彼らの精神年齢は低い」という設定まで追加されます。
この設定、後々追い詰められていく子たちの異常な言動にもうまくリンクしています。うまい!
監視員は当初一人、監禁されている六人はそれでもその状況の中で何とか均衡を保ってスイッチを押さずにいます。そこへ、二人目の監視員が派遣されてくることにより状況が動く…というのが大まかな筋書き。
主演二人の熱演が特に素晴らしかったです。
南役の役者さんは、夕方にやっていたコメディドラマでしか観たことがなかったので一体どんな仕上がりになるのかなと思っていたのですが、初演に続いて主役を張るだけあって物凄い熱の入った演技。
真沙美役の肘井美佳は、昨年の「研修医魂」に続いて二回目でしたが、あっちよりこっちの方が圧倒的によかった…いや、勿論けんだまのときも可愛かったんだけど。
あと、脇にいた子で一人やたら歌の上手い子がいるなあ(アカペラ・ソロでさらっと何曲か歌ってた)と思ったら、シリーズで通ってるミュージカルで観てた役者さんでした…気づかなかった、まったく…五回観たのに、あのミュージカル。自分のザル目に驚愕です。
それにしても、ここまで救いのない筋書きなのにここまで後味が良いっていうのは一体どういうわけなんだろうなあ。
最終的に幸せだったからかな。うーん…
DVDを購入するかはわかりませんが、再々演があればぜひとも観に行きたいところです。…さすがにもうないか。(2007/11/5)
シャルルマーニュの息子が主人公、ということで一応歴史物なのかな?そのわりに名前聞いたことないなー…と思ってちょろっとウィキペディアで調べたんですが、シャルルマーニュもっそい子だくさんなのね…なるほど、それなら一人くらい父と同じ名前でわけのわからんことをした息子がまじっていたことにしたっていいか。なかなかうまい設定だなあ。
輸入物です。
トニー賞五部門制覇してるし何十年か前には日本でも上演されているということで、品質保証付き。もっとも海外でウケたものが日本でも高く評価されるとは限りませんが。
こちらも気になって元ネタをネットで調べてみたところ、今回のバージョンはけっこうアレンジされていることが判明。確かに若手のきれいどころで客を引きたい舞台で、セックスにおぼれる主人公だのゲイの兄弟だのはマズいよなあ。
物語は「自分探し」。超シンプルです。
元ネタのテイストは不明ですが、今回上演された脚本では主人公の成長を読み取ることができませんでした。
恵まれて育った子供が夢を追いかけてフラフラし、何にも責任を持ちたくないと逃げ回り、最後にしぶしぶ年貢をおさめました、という感じ。一応テオとの交流でちらっと成長したような描写はありましたが、最終的にカトリーヌ(だっけ?ヒロイン…)の元へ戻る決意をする理由が「死ぬのが怖いから」にしか見えないせいで台無しになっているように思えます。
とは言え、見終わった後の気分はそこそこに良いです。幸せに気づけて良かったね、と素直に祝福できました。ラストで引き金を引いていたらそれはそれで面白かったんじゃないかとも思いますが、そもそもあそこで引き金が引けるくらいなら放浪しないか。(2007/10/6)
同タイトルの吉田秋生の漫画を舞台化。この作品は以前映画化もされているんだそうですが、納得のお話。
吉田秋生のはなんでもそうだけど、特に「ラヴァーズ・キス」なんかはそのまんま動画に起こしただけで映画になりそうなカット割りに台詞回しだもんなあ。(ちなみに「ラヴァーズ・キス」も映画化されてるそう)
同行した友人は「吉田秋生は第三者を描くのがうまい」と言っていましたが、私は「小道具の使い方が相変わらず抜群」だと思いました。
煙草とライターという、二十歳をとうに越えた私にとっては何て事のないあたりまえのモノ、本来の持ち主であるところの大学生にとっては何でもない日常を、十六歳、十七歳の少女に持たせることによって大きくドラマを動かす。
私自身には青春時代の甘酸っぱい思い出@高校、なんてものは皆無に等しいんですが、それでも心を揺り動かされました。もう私はヒロインたちにウザがられる「先生」の年代になっちゃってるわけですが、見ている間は感情移入しまくりで、一緒にハラハラドキドキを味わわせてもらいました。
ちなみになんでいきなりこれに行ったかと言うと、これに唯一出演している俳優が大好きだから。とある舞台で知って好きになったもので、その役柄以外を演じている彼をみたのははじめてだったのですが、とても良かったです。もっと他の舞台に出ているところも見たいなあ。(2007/7/1)
バンビーノデューエ。2、ということで続編なんですが、1は未見。ただ、2006年末に上演された番外編を観ていたので行って来ました。
新宿二丁目のウリセンボーイたちのお店が舞台で、そこに集まったボーイたちのさまざまな人生模様を描く、というのがこのお芝居のスタイル。
今回の目玉は、番外編で新たにお店に入った三人のボーイと、お店を狙う謎の男、青山。
父の日とウリセンという題材をうまく物語に組み込んでありました。多少消化不良のエピソードもあったのですが(青山出奔の理由等)、続編があるのかな…?あるならまた観に行きたいです。
お芝居自体の出来もそこそこ。若いイケメンをそろえているんですが、脇に小劇場系の中堅役者さんを持ってきているので安定感がありました。若い役者さんたちもそれなりに場数を踏んでいるので、びっくりするような下手な芝居もなし。当日は空席もチラホラありましたが、これは楽しかったです。(2007/5/28)
同名テレビドラマの舞台版。
メインキャストのうち二人が違う舞台に登板中なのを知っていたのでどうするのかと思っていたら、まったく違うキャスティングで攻めてこられました。おまけにサブでも重要な四人が四人とも全然違う人々に…!
ついでに設定も微妙に違ったりしてて、サプライズ満載でした。
中身はどちらかと言うとライブ。まあスーパーライブと銘打っているだけのことはあるなあと言う感じ。
普段から歌ったり踊ったりしてる子たちばかりだったので、そのへんは観ていて安心でした。あと、脇をわりと手堅い役者さんで固めていたみたいで、演技パートもがっつり安定。あとは、やっぱりテレビとかライブで人前に出なれてる子は違うなあと感じました。
面白かった?と言われたら、まあ、そうね、テレビのノリがそのまんま舞台になったみたいな、微妙に内輪ウケや内輪アドリブもありの小劇場ノリもありみたいな、ある意味おいしいとこどりな感じで…。面白いと言えば面白かったけど、やっぱりライブパートを完全に楽しみ切れなかったので消化不良は否めないところです。(2007/5/20)
シャトナー研にはもう行かない…と思ってしまった一本。
題材は凄く良いんですが、「九割日替わりアドリブ」というのが果たして何を目指した試みなのかがわからず、なんだか消化不良のまま終わってしまいました。
題材はホントいいんだけどなあ…コロンブスについていったけど舟の座礁で島に取り残された船員たちの運命をたどる。最終的に彼らは全員死んでしまう、というのがこのお話のキモ。正直シャトナーさんの最初と最後の部分の説明を聞くだけの方が私は良かったです。
良くも悪くも小劇場、身内ウケから離れられない人なんだなあ。(2007/5/19)
演出脚本シャトナーさん、おまけに保村さん出演!ということで、意気込んでチケット購入。
その後、保村さんがなんと「赤木ジョー」役(どうでもいいけどパンフおもくそ赤城になってるよ!)と知って軽く気絶させていただきました。ありがとうありがとう。
…で、観に行ったのは楽日。
劇場に入ってまず驚いたのが、男性の多さ。後で調べてみると、この主演の女優さんがどうやらグラビアアイドルだったようです。ほほー。劇場に貼ってあるポスターを写メったりするあたりに男性の本気を見ました。すごいな。
客層がかなりバラバラで(…と言うか業界の人が多かった。柏原崇も来てて、ステージに引っ張り上げられてました)戸惑ったのですが、よくよく見てみると堀川りょうも出てるのね…なるほど、それでなにやらアニメの話をするお嬢さんたちがいらしたわけか。
真面目にお芝居を作りました、と言うよりは、業界人をステージにのっけて内輪で楽しむついでに自慢しちゃえ、みたいなノリで、うーん、素直に楽しめたとは言えないなあ…。
ノーマイクだったんですが、かなり前方の席だったにもかかわらず聞き取れない台詞がかなりありました。楽日だから喉がとかいう言い訳はノンだ…!
原案が飯田譲治ということで、今までのシャトナーさんとは毛色の違う話になるのかなと思っていたのですが、そこはやっぱり脚本家、見事なまでのシャトナー節です。
て言うかぶっちゃけ飛龍小学校の焼き直しだった。(2007/2/13)